2016年3月6日日曜日

水の話 その4


ここでは水に関する写真を載せていたのですが,うまくいきませんので,化学的な話を載せることにしましょう。
 
氷の結晶構造。
氷の結晶構造は,ダイヤモンドと同じ正四面体配置です。炭素四価のダイヤモンドと水を重ねるのは抵抗がありますね。
水分子中の酸素原子がダイヤモンドと同じように正四面体形に位置すると考えます。酸素は2価ですから,あと2つの結合を水素結合を充てます。
すなわちダイヤモンドの炭素-炭素間の結合に相当するのが水の酸素-水素-酸素の結合で2つは共有結合,2つが水素結合というわけです。
 
ですから結晶格子についてもダイヤモンドと同様に考えられます。
 考え方を説明しましょう。食塩の単位格子を見て下さい。(それぞれのイオンが面心立方格子をなしています)
 そのナトリウムイオン,塩化物イオンをともに炭素原子に変えてさらに4個加えたものがダイヤモンドの単位格子です。その4個は,塩化ナトリウムの単位格子にあるように1/8の立方体が上下四個ずつありますから,上に2個,下に2個互いにずれるようにいれてください。このようにすればダイヤモンドの単位格子ができます。炭素原子を酸素原子にすれば氷の単位格子ということです。



「水素結合という力が働いているという説明は、水が簡単なH2Oという分子からできていると速断したことに対する修正である。」内海誓一郎他『水ー生命のふるさとー」、共立出版、p.2
 H2Oという分子一つを取り出すことはできないのだから、これはこの通りなのである。しかし、これは化学のあらゆるものについて言えることであって、鉄原子一つを単独で見ることもできないない。要するに分子論、原子論というのは、一つの考え方であって、存在論のあり方である。