2015年6月8日月曜日

因島三庄町 観音寺三十三観音物語

いんのしまみち みつのしょうみち

伝説とロマンの島因島 三庄町 観音寺三十三観音物語

本ページはsumihara氏との共著である。

われわれの知っている国内での聖地巡礼としては、最古のものです。とはいえ、空海などが修行した山岳宗教にも、巡礼的な要素を含んだものがあったかもしれません。
現在では四国巡礼のほうがやや有名ですが、西国巡礼の人気が衰えたとは言えないでしょう。
その西国巡礼も四国巡礼と同じように、近くに勧請して、より気軽にお参りしたいと思う人たちが全国にいたのでしょう。その名残は各地の路傍に今も祀られていて、地元の人たちの厚い信仰の対象となっています。


札所番号、山号、寺号、通称、本尊、宗旨、所在地は以下のようになる。
1番 那智山 青岸渡寺 那智山寺 如意輪観音 天台宗 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山8
2番 紀三井山 金剛宝寺護国院 紀三井寺 十一面観音 救世観音宗 和歌山県和歌山市紀三井寺1201
3番 風猛山 粉河寺 千手観音 粉河観音宗 和歌山県紀の川市粉河2787
4番 槇尾山 施福寺 槇尾寺 千手観音 天台宗 大阪府和泉市槇尾山町136
5番 紫雲山 葛井寺 藤井寺 千手観音 真言宗御室派 大阪府藤井寺市藤井寺1-16-21
6番 壺阪山 南法華寺 壺阪寺 千手観音  真言宗(豊山系単立) 奈良県高市郡高取町壺阪3
7番 東光山 龍蓋寺 岡寺 如意輪観音 真言宗豊山派 奈良県高市郡明日香村岡806
番外 豊山 法起院 徳道上人廟 真言宗豊山派 奈良県桜井市初瀬776
8番 豊山 長谷寺 初瀬寺 十一面観音 真言宗豊山派 奈良県桜井市初瀬731-1
9番 興福寺(南円堂)- 不空羂索観音 法相宗 奈良県奈良市登大路町48
10番 明星山 三室戸寺 御室戸寺 千手観音 本山修験宗 京都府宇治市菟道滋賀谷21
11番 深雪山 上醍醐寺(准胝堂) - 准胝観音 真言宗醍醐派 京都府京都市伏見区醍醐醍醐山1(2008年に落雷により准胝堂が焼失したため、再建までの間、札所は下醍醐の大講堂(観音堂と改称)に移されている。)
12番 岩間山 正法寺 岩間寺 千手観音 真言宗醍醐派 滋賀県大津市石山内畑町82
13番 石光山 石山寺 - 如意輪観音 東寺真言宗 滋賀県大津市石山寺1-1-1
14番 長等山 園城寺観音堂 三井寺 如意輪観音 天台寺門宗 滋賀県大津市園城寺町246
番外 華頂山 元慶寺 -天台宗 京都府京都市山科区北花山河原町13
15番 新那智山 観音寺 今熊野観音寺 十一面観音 真言宗泉涌寺派 京都府京都市東山区泉涌寺山内町32
16番 音羽山 清水寺 千手観音北法相宗 京都府京都市東山区清水1丁目294
17番 補陀洛山 六波羅蜜寺 十一面観音 真言宗智山派 京都府京都市東山区五条大和大路上ル東入2丁目轆轤町81-1
18番 紫雲山 頂法寺 六角堂 如意輪観音 天台系単立 京都府京都市中京区六角東洞院西入堂之前町248
19番 霊麀山 行願寺 革堂 千手観音 天台宗 京都府京都市中京区寺町通竹屋町上ル行願寺門前町17
20番 西山 善峯寺 よしみねさん 千手観音 善峯観音宗(天台系単立) 京都府京都市西京区大原野小塩町1372
21番 菩提山 穴太寺 穴穂寺 菩提寺 聖観音 天台宗 京都府亀岡市曽我部町穴太東ノ辻46
22番 補陀洛山 総持寺 千手観音 高野山真言宗 大阪府茨木市総持寺1-6-1
23番 応頂山 勝尾寺 弥勒寺 千手観音 高野山真言宗 大阪府箕面市粟生間谷2914-1
24番 紫雲山 中山寺 中山観音 十一面観音 真言宗中山寺派 兵庫県宝塚市中山寺2-11-1
番外 東光山 花山院 菩提寺 尼寺のお寺真言宗花山院派 兵庫県三田市尼寺352
25番 御嶽山 清水寺 播州清水寺 清水さん 千手観音 天台宗 兵庫県加東市平木1194
26番 法華山 一乗寺 聖観音 天台宗 兵庫県加西市坂本町821-17
27番 書寫山 圓教寺 西の比叡山 如意輪観音 天台宗 兵庫県姫路市書写2968
28番 成相山 成相寺 成相さん 聖観音 真言宗(古義系単立) 京都府宮津市成相寺339
29番 青葉山 松尾寺 まつのおさん 馬頭観音 真言宗醍醐派 京都府舞鶴市松尾532
30番 厳金山 宝厳寺 竹生島宝厳寺 千手観音 真言宗豊山派 滋賀県長浜市早崎町1664-1
31番 姨綺耶山 長命寺 千手観音十一面観音 聖観音 単立 滋賀県近江八幡市長命寺町157
32番 繖山 観音正寺 仏法興隆寺 千手観音 単立(天台系) 滋賀県近江八幡市安土町石寺2
33番 谷汲山 華厳寺 たにぐみさん 十一面観音 天台宗 岐阜県揖斐郡揖斐川町谷汲徳積23









番外

華頂山 元慶寺 -天台宗 京都府京都市山科区北花山河原町13
「暦《こよみ》のうえも忘れて来た。おおあれは三上山《みかみやま》、そのてまえは鏡山だな。するとここらは天智天皇が御猟《みかり》のあとか」
「さればで」
 と、いったのは、直義と駒をならべていた今川範国《いまがわのりくに》で、言下に、万葉のひとつを、駒ひびきのあいだで、高吟していた。
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あかねさす
むらさき野ゆき
しめ野行き
野守りは見ずや
君が袖振る
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 すると高氏もすぐ言った。
「君が袖振る! ……。鏡《かがみ》の宿《しゅく》には、上杉と細川がわれらを待ちかねているだろうぞ」
吉川英治「私本太平記07新田帖」(青空文庫)「大江山」